花研コーヒーブレイク
お茶の花はジャスミンの香り?~シンヤワールドへようこそ!~
2015.11.07
「あの花」や「ここさけ(心が叫びたがってるんだ)」というアニメの聖地として知られる埼玉県秩父市からもほど近い、埼玉県寄居町(よりいまち)がみかん狩りの季節を迎えました。みかん狩りの農園「みかん山」へは、秩父鉄道の波久礼(はぐれ)駅が最寄駅です。
はぐれ駅。時代を感じさせる木造の駅舎には小川町の下里分校(小欄2015年10月10日参照)と同様、コスモスの花がとても良く似合います。
駅のすぐ前を流れる荒川の木々も紅葉で赤や黄色に染まり始めました。
みかん園が並ぶ山道をてくてく歩いていくと、辺りから不思議と懐かしい雰囲気の匂いが漂ってきます。
みかんやゆずの花の香りに似ていますが、みかんは既に実っていて花が咲いている気配はありません。何の匂いでしょうか。
香りが漂ってくる道端を探してみると、葉がこんもりと茂った木がみかん畑の石垣に植えられており、そこに小さな白い花がたくさん咲いています。どうやら匂いはここから漂ってくるようです。
実はこの白い花の正体は茶の花で、この植物はチャノキ(お茶)なのです。
チャノキ(お茶)はツバキ科の植物で花言葉は「追憶」、お茶の花が幼少期の思い出のような懐かしい雰囲気を持っていることから、この花言葉が付けられました。
香りはジャスミンや柑橘類の花に似ていますが、さらに正確に言えばオシロイバナに近い香りです。真夏の夜に漂ってくるオシロイバナの香りも素朴で風情のある素敵な香りです。
また茶の花は下にうつむいて咲くことが多く、一輪挿しにして飾ると藪ツバキのような趣があります。
帰り道に桜の花が咲いていました。子福桜(コブクザクラ)という初めて見る品種です。11月に桜の花を見ることができるなんて不思議な気分です。皆様も良い週末をお過ごしください。
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